昭和18年8月17日、この木製の本棚はこの世に生を受けました。今から78年前のこと。
木製の本棚ならそれなりに見かけるものです。
ところがこの本棚はそれなりに見かける本棚とは様子が違っていました。
素朴で簡素な作り、鉄釘が打たれていて、手取りは軽く、いかにも使いやすそうな様相を呈している。
……なんだ?
底面の板が傾斜している。錯覚ではない。姿見に目をやって自分の目が正常であることを確認する。
なんて雑な作りなんだ。例え日曜大工の産物としてもここまでラフな仕事ではぼくの店では扱うことなんてできな……
いや、違う!これは意図的に付けられた傾斜だ。この傾斜に合わせて背面の板がほぼ直角になる角度で組まれている……!
ぼくはもう一度作られた日付に目をやった。
ーー関。
そこには、飾らない字体で一文字(いちもんじ)の名が刻まれていた。
ひたいに一筋の汗がつたった。
ここにあるのは関の生き様だった。
以上。
サイズ:40cm × 20cm × 16cm
重さ:476g
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